2008年9月25日木曜日

GADにおける覚醒の知覚

Journal of Abnormal Psychology. 2008 Feb;117(1):193-205.
Superior perception of phasic physiological arousal and the detrimental consequences of the conviction to be aroused on worrying and metacognitions in GAD.
Andor T, Gerlach AL, Rist F

(A)GADが健常統制群と比べて,一過性の自律神経系の覚醒の知覚に優れているか
(B)覚醒しているという確信(信念)が心配の維持や心配のメタ認知的信念を導くか

上記2つの仮説を検証

実験1
一過性の自律神経系の覚醒の指標として,非特異的皮膚コンダクタンス反応(NSCF)を用いて,NSCFが生じた時と生じていない時にランダムに音を呈示し,音が呈示されたら実験参加者は,音が鳴る前に自分の身体感覚に変化が生じていたかを答える。どれだけ正確にNSCFを知覚できていたかを信号検出理論により算出。結果,GADが一過性の自律神経系の覚醒の知覚に優れていることが示された。→(A)を支持

実験2
5分間心配した後,5分間リラックスしてもらう。リラックス中に,参加者は,身体がリラックスしている,あるいは覚醒しているといった偽のフィードバックを受ける。GADにおいて覚醒してるといったフィードバックは,心配に関するネガティブなメタ認知的信念,ネガティブな気分,心配を維持した。→(B)を支持


身体感覚の知覚や解釈の誤りといった認知的変数を治療で扱うことが有効?
メタ認知療法,アクセプタンスベイスドな認知行動療法等が有効?
リラクセーションだけでは不十分?


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