Maner et al. (2007). Personality and Individual Differences, 42, 665–675.
不安とリスク回避型意思決定の関連を検討
研究1
138名の大学生に,他者からの否定的評価への恐れを測定するFear of Negative Evaluation Scale (FNE)への回答とballoon analog risk task (BART)の実施に協力してもらった。BARTは,風船を膨らませる度に15$獲得できるゲーム。ただ,風船を何回膨らまして割れるかはランダム(割れたら0$)。膨らませるのを何回目でやめるかは自由。割らずに膨らまし,この辺で限界かなというところで次の試行に移ると膨らました回数分の$をゲット。膨らます回数が多いとリスクテイキング,少ないとリスク回避。結果,FNEが高いほど,膨らます回数が少ない(r=-.20, p=0.02)。しかし,相関の値は小さく,関連は弱い。FNEの平均がそもそも低いせい?
研究2
97名の大学生に,特性不安を測定するStait-Trait Anxiety Inventory (STAI)と心配性傾向を測定するPenn State Worry Questionnaire (PSWQ) と不快情動性を測定するPositive and Negative Affect Schedule (PANAS)への回答と,BARTの実施に協力。STAIと 風船を膨らます回数に負の相関 (r=-.22, p=0.05),PSWQと風船を膨らます回数にも負の相関 (r=-.21, p=0.05)。PANASの不快情動性を統制しても,上記の相関に大きな変動なし。STAIを統制すると不快情動性と風船を膨らます回数は無相関。それでもやはり,相関の値が低い。
研究3
63名の患者群(不安障害群,気分障害群,学習障害群)と119名の大学生群にリスクある意思決定を行う傾向を測定するRisk Taking Behavior Scale (RTBS)を実施。不安障害群は他の群より有意にRTBS得点が低かった(リスクある意思決定を避ける)。
3つの研究を通じて,リスク回避型意思決定と不安障害の特異的な関連が示された。
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