2008年6月15日日曜日

PASAT

Neurobehavioral Therapies in the 21st Century: Summary of an Emerging Field and an Extended Example of Cognitive Control Training for Depression

抑うつ者に対して弁証論的行動療法に基づくセラピーに
WellsのATTとPASATという認知課題を加えると治療効果が増大するそうな

PASATってのは簡単な認知課題で「1,5,2,4,…」と数字をランダムに挙げていき
聞こえた数字を先に述べられた数字に足すという課題。上の例であれば,「6,7,6,…」と応えていければ正解。このような単純な計算課題が,高次認知を司る前頭前野を活性化させるんだとか。僕の母校でも高齢者に対し単純な認知課題を行わせることでボケ防止をする的な研究をしていて,このPASATを抑うつ者に適用させるっていうのは同じような発想なんでしょう。

Seigleらのこの研究では,ATTが効いてるのかPASATが効いてるのかよく分かりませんが,とにかく改善してると。

このPASATは他の認知課題よりもなぜか治療効果が大きいらしく,認知症やADHD関連で最近注目されてるそうです。母校の高齢者プロジェクとに関わってるSO(食欲旺盛)な友人にレコメンします。

また,練習効果が出にくく,介入のpreとpostでPASATを認知的能力の指標として有効に使えるみたいです。どうですか。SOちゃん。

Siegleさんって人はかなり気になる研究者です。最近は精神疾患者の脳機能を検討しているようですが,元々コネクショニストで,認知の情報処理モデルをコネクショニズムで説明しよう的なことをやっている認知心理学者だそうです。

多くの心理療法の有効性が脳の活性等の生物学的なエビデンスを得ていくことで,より確立された治療が整備されていくのでしょう。







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